2024年6月19日(木)、フィリップスのAI搭載補聴器の新モデル「フィリップス ヒアリンク50」が発売されました。
聴力の衰えは加齢とともに避けられないように思えますが、補聴器を装用することで聞こえにくさをカバーすることができます。
聴力の低下により、認知症のリスクが高まると言われていますが、まだまだ補聴器を利用する人の数は少ないそう。
良い聞こえは、人や社会とのつながりを維持するうえで大切なこと。
発売にあたって開催された新製品発表会では、補聴器自体の進化と合わせて「聴覚ケア」の重要性も知ることができました。
目次
フィリップス ヒアリンク補聴器は「人とつながる、世界とつながる」をコンセプトに開発されています。
今回発売された新モデルは、前世代で登場したAI(人工知能)サウンドテクノロジーをさらに進化させ、ユーザー中心設計をもとに開発。
新機能としてモーションセンシング技術を駆使した「サウンドガイド」機能が搭載されました。
「サウンドガイド」機能の特徴は、ユーザーの“動作や動き”を検知・分析し、その情報を“補聴器の聞こえ”に反映させること。
会話中に耳を傾けたり、頭や身体を動かすことがありますが、その“動作や動き”を読み取って“補聴器の聞こえ”に反映させるというから驚きです。
たとえば、難聴になると騒がしい環境での会話の聞き取りが難しくなるのは、脳が無意識かつ瞬時に行っている音の聞き分けが困難になるからだとか。
「サウンドガイド」機能があれば、ユーザーの動きに合わせて音を自動的にカスタマイズ。
にぎやかな場所での対話や複数人での会話、騒がしい街中で友人に声をかけらえる、といった日常生活で直面するさまざまなシーンでシームレスに働き、会話を聞き取りやすくしてくれます。
発表会では、そうした騒音に囲まれているシーンでの聞こえ方を再現。
レストランで、雑多な交差点で、パーティ会場で、1対1の会話では目の前にいる相手の声を聞き取りやすく焦点をあて、複数人との会話ではうなずいたり横を向くたびに左右の声を聞き取りやすく調整。
街中を歩けば、体の動きに合わせて周囲の音が聞こえるように働くなど、動作・動きと周囲の環境にあわせて聞きたい音を最適化します。
また新モデルでは、Bluetooth(R) 低エネルギー(LE)を利用した次世代音声規格「LE Audio」にも対応。
音楽やテレビ番組、映画音声などがダイレクトに補聴器に届き、高音質かつ低消費電力で長時間楽しむことが可能になりました。
iPhone とiPad(※iPhone11以降かつiOS15.2以降、iPad OS 15.2以降で動作するiPad対応)および一部のAndroid端末(※LE Audio非対応の場合は別途アクセサリーが必要)では、ハンズフリーの通話にも対応しています。
新モデルと同時にリリースされた専用アプリ「Philips HearLink 2(※iOS15およびAndroid 8.0以降に対応)」には新機能「フィリップス ダイアリー」があります。
「フィリップス ダイアリー」は、ユーザー自身で一日の装用時間の目標を設定し、1日の使用時間を確認できる機能とのこと。
どうしてこの機能が?と思ったのですが、補聴器を使いこなすには、毎日少しずつ装用時間を延ばし、慣れさせていくことが大切なのだそう。
せっかく補聴器を使い始めても、補聴器を通して聞こえる音に慣れていなければ、音が大きい、うるさい、といった不快感を覚えやすくなってしまいます。
「フィリップス ダイアリー」は、「3日連続で目標達成しました」などの個人の目標達成に向けたアドバイスを通知してくれ、補聴器に慣れていくことをサポート。
段階的に使用場面を増やしたり、はげましながら自分のペースでトレーニングできるので、心強いパートナーになってくれそうですね。
トークセッションでは、予防医学に詳しい産業医・内科医の森勇磨先生が登場。
難聴が生活に及ぼす影響や、加齢性難聴の特徴について教えてくれました。
JapanTrak2022のデータを基に算出すると、日本の難聴者数は推定約1250万人、つまり10人に1人が難聴ということになります。
これは世界第9位と多く、日本は平均寿命が長く、高齢化社会であることも影響しているとのこと。
聴力は衰えてもは治ると思っている人も多いようですが、一度衰えた聴力は治りません。
聴力をはじめ、五感の情報が入ってこなくなると脳への刺激が行き届かなくなり、難聴の方とそうでない方を比べると認知症のリスクが2倍にもなるとも言われています。
世界的に見ると難聴者の40%以上は補聴器を使っているということですが、日本の場合は15%程度。
“補聴器後進国”と言わざるを得ない状況になっています。
難聴は、痛みがあるなどわかりやすい症状が出にくいことから病院にいくという行動につながりにくく、難聴に気づきにくい、装用に抵抗感がある、年寄りくさい、価格が高い……など補聴器の普及が進んでいない要因はさまざま。
ただ、最近では国や自治体による補聴器の購入補助も増えているそうです。
認知症による経済的損失は9兆円とも言われるため、比較的若いうちから聴覚ケアをすることが、仕事の質を落とさず長く働き続けたり、充実したシニアライフを送る重要なポイントになるはず。
新モデルの「フィリップス ヒアリンク50」は、小型で目立たない、充電タイプの耳かけ型補聴器です。
髪の色や好みに合わせて選べる全7色のカラーをラインナップ。
接触型の高速充電器が登場したことにより、1時間の充電で補聴器を終日使用できるほか、わずか15分の充電で最大4時間使用可能です(※平均的な使用パターンに基づく)。
難聴ってどういう風に聞こえるの?と思ったら、疑似体験できる「難聴シミュレーター」でのチェックをぜひ。※難聴にはさまざまなタイプがあり、個人差があります。
また、聞こえの状態を簡単にセルフチェックできる「オンライン聞こえのチェック」というサイトもあるので、合わせて試してみてくださいね。
「聞こえにくい」と感じたら、まずは耳鼻咽喉科を受信、そして「フィリップス ヒアリンク50」でスマートに聴覚をケアしましょう。
公式サイトはこちら >> フィリップス
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。