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ユーザーとしての立場を忘れない化粧品開発で女性を美しく 石川名美さん(株式会社エストロワ 企画部)

エストロワ 石川名美さん

化粧品開発やPR、販売、技術者など、美容にまつわる職業につく人たち。

ビューティープレスマンでは、そのような「ビューティープレスマンな人たち」にインタビューし、さらに美容業界を深堀したいと考えています。

今回お話を聞かせていただいたのは、ポアレスラボやグラサ、クレシェコスメティックスを展開する株式会社エストロワの企画部 マーチャンダイジング チーフマネージャーの石川名美さん。

私たちが手にする商品の裏にある、想いやエピソードを教えていただきました。

ライター、編集者、マーケティングを経て化粧品開発に関わるまで

化粧品開発の仕事

―石川さんは元々、化粧品の開発を目指していらっしゃったのですか?

子供の頃から小説や雑誌が好きでしたので、漠然とですが編集者になりたいと思っていました。
大学卒業後は、ライター及び編集者としていくつかの媒体に関わることになります。

化粧品の業界紙で仕事をしていた時、某化粧品メーカー、トイレタリーメーカーの新商品立ち上げに際し、マーケティングの立場として外部参加させていただくことがありました。
その時にメーカーの商品開発の方と接し、商品作りへの想いや、開発過程、そして実際にその商品が市場に出るところまでを実感することになります。

自分たちの考えたものが、形になり、市場に出て、実際に使っていただける。
さらに、その商品をお客様に喜んでいただけたら、こんなに嬉しいことはないなと。
元々化粧品好きというのもあり、化粧品作りに携わり、自分の手掛けた商品を世にだしていきたいという想いが強くなりました。

こちらの業界に転職し、化粧品開発に関わるようになって16年くらいになります。

コストよりもユーザーとしての立場を優先して化粧品開発をする

化粧品開発でコストより大切なもの
―実際にはどのように化粧品を開発されるのでしょうか?

ひとつの商品を開発するにあたり、発想から着手しています。
まず最初に考えるのは、既存の商品を見渡し、新たに商品を開発することによって、お客様が喜んでくださるか、サロンの役務内容が充実するか。
ひとつの商品が出来るまでに、2、3年は優にかかります。
なので、先のトレンドを見据えることも必要なんですね。

メインの原料の選定、指定もします。
私はこの段階でコストを考えません。
それよりも、目的や効果、お客様が喜んでくださるかの方が大切だと考えるからです。

もちろん「売れる」ためには値ごろ感があるとは思います。
でも、そのために最初に価格を設定してしまったら、目的が薄れてしまうようなことになる。

実際に、ある程度満足のいく試作が上がるまではコストを見ないようにしています。
価格を見てしまうと「この価格では厳しいな」と思ってしまったりしますよね。
それよりは、化粧品を使う女性として「使ってどうなのか」を大事にしたいんです。

結果、それが工場泣かせになってしまうこともありますが、私は「ユーザーとしての立場」を忘れないでいたいと思っています。

「心の薬」をエッセンスにした化粧品を作りたい

石川名美さんの化粧品開発のこだわり

―他に石川さんが化粧品開発をされる際に心がけていることはありますか?

どの商品を作る場合でも、第一前提として女性にきれいになる喜びや嬉しさを提供できるものでありたいとの想いを込めています。
化粧品にしてもサプリメントにしても、その成分や効果実感は大切な要素。

さらに、そこに「きれいになるためのワクワク感や高揚感」がプラスされて、より一層の効果を与えてくれるのではないかと思います。
そのためには、どのラインで発売するかの設定、パッケージ選びなども大切にしています。

そんな「心の薬」とでもいいますか、「これを使ったらキレイになれるかな」という想像が働くようなエッセンスをプラスした商品作りを心がけています。

これまでに開発した商品は200以上!その中の大ヒット商品とは?

エストロワ 化粧品開発

―石川さんが開発された商品の中で思い出深いものを教えてください。

これまでに開発してきた商品は、メイク品やアロマ系なども含めると200以上になります。
どの商品も私にとっては大切な存在ですが、中でも近年で印象深いのはポアレスラボの「ポアゴマージュペースト PL」、ポアレスラボ プレステージの「クレシェ シーバムプレシャスオイル PL」、サプリメントシリーズの「クレシェ ザ・サプリメント」でしょうか。

海外でも人気の「ポアゴマージュペースト」は沖縄・久米島産

―「ポアゴマージュペースト PL」は先日のイベントにも登場しましたよね。そのコンセプトに魅かれた方も多かったように思います。

春夏のくすみ肌&詰まり毛穴のケア方法!ポアレスラボ×ビューティープレスマンイベントレポート

やはり、みなさん「毛穴ケア」と聞くと鼻の毛穴を思い浮かべますよね。
その「イチゴ鼻」のケアに特化したアイテムを作ろうと思ったのがきっかけです。

そこで見つけたのが沖縄の久米島で海洋深層水を汲んだり、沖縄由来の素材で化粧品を作ったりすることをモットーとしているメーカーさんでした。
沖縄だったら、海泥や珊瑚に関する素材もお持ちだろうな、良いものが作れるかもしれないという閃きからスタートしたんです。

だから「ポアゴマージュペースト PL」は沖縄・久米島産なんですよ。

ポアレスラボ イチゴ鼻ケア ゴマージュペースト

おかげさまで、発売当初は予想以上の売れ行きで欠品したりもしました。
現在は、海外でも人気で、アジアの女性15万人が選んだ日本の化粧品大賞「COSMERIA of the Year」を2017年度、2018年度2年連続で受賞しています。
同じ商品の連続受賞はこれが初めてだったそうです。

毛穴ケアブランドが発売する唯一のオイル「シーバムプレシャスオイル」

―ポアレスラボ プレステージは高級感のある雰囲気です。どのような想いで誕生したのですか?

ポアレスラボ プレステージ

現在、ポアレスラボ プレステージの商品は「クレシェ シーバムプレシャスオイル PL」と「クレシェ リズミスト PL」の2品です。
最初に誕生したのが美容オイルの「クレシェ シーバムプレシャスオイル PL」(写真:右)でした。

ポアレスラボというブランドのコンセプトである毛穴ケアとオイルというアイテムは一見、相反するもののように思えるんですね。
ただ、お客様の中には「何をつけても乾燥する」という方が一定数いらっしゃいました。
サロンでのケアに加え、お家でもきちんとスキンケアをされているのに、毛穴がしぼんでいるような印象になってしまう。
しかも、Tゾーンは脂っぽく、化粧崩れも気になる……
そんな皮脂膜が十分ではない状態になりがちな大人肌のために開発しています。

疑似皮脂のような役割を果たしてくれる美容オイルを作りたいという想いのもと、ベースとなるオイルの開発だけで1年半くらいかかりました。
そこから、他の成分の配合や香り、使用感の調整などを経て、トータル3年くらいかかっています。

「クレシェ シーバムプレシャスオイル PL」はブランド初のオイルスキンケアであり、ブランド唯一のオイルケアアイテムです。
毛穴ケア専門ブランドが発売するオイルは、美容関係者の方にも興味を持っていただき、美容オイルブームの後押しもあって、おかげさまで大ヒット商品となりました。

ダイエット目的だけではなく美しさを支える健康をベースにしたサプリメント

―クレシェ ザ・サプリメントは豊富なラインナップがユニークですよね。

エストロワ クレシェ ザ サプリメント

実は、「クレシェ ザ・サプリメント」は弊社で3代目のサプリメントシリーズになります。
過去2代はダイエットを主軸に考えた商品でした。

「クレシェ ザ・サプリメント」は、年齢と共に感じる悩みや生活習慣、健康にフォーカスした商品になっています。
今回は、パッケージデザインもがらりと変え、個包装仕様にすることで携帯しやすく、日常にスムーズに取り入れられるような雰囲気にしました。
弊社オンラインショップなどでもお求めいただけますが、サロンではDNA検査も取り入れ、結果にもとづいたアドバイスやサプリメント選びもしています。

最新作は10年間の毛穴ケアから生まれた角質ケア美容水

ポアレスラボ プレステージ 角質ケア美容水

―最新作は先ほどお話が出てきたポアレスラボ プレステージの「クレシェ リズミスト PL」ですよね。こちらは、ビューティープレスマンでもデビュー時にご紹介させていただきました。

毛穴ケア専門サロン ポアレスラボが提案する「見えない毛穴トラブル」へのアプローチ「リズムケア」が誕生

ありがとうございます。毛穴ケア専門サロン ポアレスラボは、今年で10周年を迎えることが出来ました。
この10年間お客様の悩みに寄り添ってきた今、よりアグレッシブにケア出来る製品の必要性を感じた次第です。

近年増えてきたお悩みとして、ケアをしていても定期的に肌にごわつきを感じる、化粧品の入りが悪くなるという声があります。
年齢的なもの、環境的なものが原因でターンオーバーのリズムが不調になることが多くなっていることは、お客様の肌データからも明らかになりました。
毛穴の観点から言えば、きちんと剥がれ落ちず厚くなった角質が毛穴を覆う「おこもり毛穴」の現象を抱えている方が多いです。

そこで、週に1~2回の使用で酸の力を借りて、ターンオーバーを促し、また自らそのリズムを整えていける成分で構成したのが「クレシェ リズミスト PL」です。
こちらは、開発に約2年がかかりました。

毛穴だけでなく、肘や膝などボディの角質が肥厚しやすい箇所にもお使いいただけます。
おかげさまで「クレシェ リズミスト PL」も発売当初は欠品を起こしたほど、ご好評をいただいています。

25周年記念にジョイゼフを通じて女性支援活動に協力する商品を発売

ジョイセフ寄付 クレンジング

―近々、新商品を発売される予定はありますか?

2019年6月3日より、エストロワグループ25周年記念企画商品2アイテムの発売を予定しています。
エストロワは、「心も体も前向きになれる美容の力で女性をサポートすること」を使命とし、これまで多くの女性のお客様に支えられ、今年25周年を迎えることが出来ました。

ひとつは、「クレシェソワ クリアクレンジングジェル AL」をジョイセフへの寄付金対象商品として限定パッケージで発売いたします。
この25周年の節目に、感謝の気持ちを社会貢献としてカタチにしたいと考えていた折に、女性支援活動に取り組んでおられる公益財団法人ジョイセフとの出会いがあり、その真摯なお取組みに共感したのがきっかけです。

パッケージに書かれている「FOR WOMEN」の文字は弊社社員全員で書いた手書き文字をデザインとして載せたものです。
弊社のデザインチームも相当苦労していましたが、その分良い形に仕上がったと思っています。
10,000個の限定生産で、完売次第、売上の一部を寄附させていただきます。

もうひとつは、人気の日焼け止め「クレシェ ホワイトプログラム デイプロテクションWH」のボディ用。
長年いただいていた「ボディ用が欲しい」という声に応えた商品になります。
フェイス用美容成分を同配合、UV機能はSPF50・PA+++にパワーアップしました。

いずれも数量限定商品となります。
詳しくは、25周年企画のページをご覧ください。

自分なりの美しさを大切にするサポートが出来る商品を目指して

エストロワ 石川名美さん

―石川さんが開発する商品はどのような女性をイメージされて作っていらっしゃいますか?

私は、女性が前向きな気持ち、元気な気持ちで進んでいくための、美容と健康を提供したいと考えています。
健康はもちろんですし、美容に関しても、自信の一つのツールだと思っています。
人には、その人なりの「美しさ」がありますし、人それぞれチャームポイントも違いますよね。
私が開発した商品で、ご自身なりの美しさを見つけ、育て、それを大事にしていただくためのお手伝いが出来れば、こんなに嬉しいことはありません。

―今後、どのような商品を開発したいとお考えですか?

作りたい商品はいろいろありますが、人生100年時代と言われる今、頭皮や薄毛がケア出来る商品など、エイジングからくる多様な悩みケアをサポート出来る開発が求められていると思っています。
年齢を重ねるにつれ、私の周囲の女性でも、そうした悩みが話題にあがることが多くなりました。
最近は、雑誌などでも髪だけでなく頭皮にフォーカスした特集などが多く見られます。
それだけ悩みが深いのでは?と感じています。

―最後に石川さんご自身の美の秘訣を教えてください。

ストレスは溜めない!これにつきます。
良い仕事をする上でも、まずは健康が大切です。美容も健康があってこそですよね。
年齢を重ねるにつれ、体重管理や、肌の状態など自己メンテナンスにかかる時間は比例して伸びます。
毎日少しずつでも継続することが大切だと思いますので、それこそストレスを感じない程度に日々軽めの管理はするように心がけています。
そして……たまには自分を甘やかすことも大事ですよね。

ディレクター MIKI
ビューティープレスマンのディレクター。ライターとしても登場します。コスメブログ運営歴10年以上の根っからのコスメ好き。日本化粧品検定協会認定コスメコンシェルジュ資格も所有しています。若い子から「こんな風になりたい!」と思ってもらえるような歳の重ね方を目指す40代です。